前立腺がん
前立腺がんとは?
前立腺にできる悪性腫瘍(がん)です
前立腺がんとは、前立腺にできる悪性腫瘍(がん)のことです。
詳しい原因ははっきりわかっていませんが、前立腺肥大症と同様に、男性ホルモンの働きが関与しているのではないかと考えられています。
また年齢を重ねるごとに発症リスクが高くなるという特徴があることから、高齢化社会が進行する今、急速に増加することが予想されています。
前立腺がんの増加が予想される背景
前立腺がんは前立腺肥大症と同様に、年齢を重ねるごとに発症リスクが高まるという特徴があります。
そのため、高齢化社会が進む日本では、今後、急増するのではないかと予想されています。
また、前立腺がんは欧米人に多くみられることから、高タンパク・高脂肪の食生活が影響しているのではないかと考えられていて、そのため日本でも食生活の欧米化にともない増加するのではないかと言われています。
さらに前立腺がんを早期発見するには、血液中のPSA(前立腺特異抗原)量を測定する「PSA検査」が有効ですが、この検査の普及にともない前立腺がんと診断される方が増えるのではないかと考えられています。
前立腺がんの症状
前立腺がんは、初期にはほとんど自覚症状がありません。
がんが進行して大きくなると、尿道が圧迫されて排尿困難、頻尿、血尿などの症状が現れてきます。
ここでご注意いただきたいのは、「前立腺肥大症とよく似た症状が現れる」という点です。
インターネットなどで症状をお調べになり、ご自身で「これは前立腺肥大症だろう」と思っていても、検査したところ実は前立腺がんだったということも起こり得るのです。
なので、少しでも異変に気づいたら自己判断せずにお早めにご相談ください。
早期発見・早期治療で治癒できる可能性の高いがんです
前立腺がんは早期発見・早期治療すれば治癒できる可能性の高いがんです。
決して怖いがんではありません。
「がんが見つかったらどうしよう…」と思って受診をためらわれる方もおられますが、過度に恐れずにきちんとクリニックで診査・診断を受けるようにしてください。
前立腺がんの検査・治療
早期発見には「PSA検査」が有効です
初期にはほとんど自覚症状が現れない前立腺がんを早期発見するためには、血液中のPSA(前立腺特異抗原)量を測定する「PSA検査」が有効です。
前立腺がんがある時、ご本人にまったく症状がなくても血液中のPSAの値が高くなります。
PSA検査は前立腺がんが疑われる時には必ず行い、人間ドックなどでも希望すれば受けることが可能です。
現在では、「血液検査→PSAの異常→泌尿器科を受診→精密検査で診断」という流れが主流になっていて、先進国ではこうしたサイクルによって多くの前立腺がんが発見されています。
PSA検査のリスク
PSA検査のデメリットやリスクとして下記があります。
・検診では発見が難しいがんが存在する
・PSA検査で偽陽性が生じる可能性がある
・不必要な前立腺生検の増加に伴う費用の増加
・前立腺生検に伴う合併症のリスク
・過剰診断や過剰治療のリスクの増加
・治療による合併症が生活の質を低下させる可能性がある
検査から治療までの流れ
1. 基本的な検査
問診、尿検査、血液検査(PSA検査)などの基本的な検査を行います。
2. 精密検査
超音波検査(エコー検査)、生検、病理検査などの精密検査を行います。
3. 診断・治療方針の決定
検査の結果、前立腺がんと診断されたら、CT検査やMRI検査などでがんの転移や拡がりを確認し、治療方針を決定します。
※CT検査、MRI検査につきましては近隣の病院をご紹介します
4. 治療方法の説明
患者様の病状やご希望、ライフスタイルなどに応じて複数の治療方法をご提示し、それぞれのメリット・デメリットなどを詳しくご説明します。
「家族を診るような気持ち」で患者様に寄り添い、一緒になって最適な方法を考えていきます。
5. 治療
内分泌療法や抗がん剤投与などを行い、PSAの変動、超音波検査・MRI検査などで病状をチェックしながら治療していきます。
※当クリニックで治療が難しい場合には、適切な専門機関をご紹介します
費用
保険適用となりますので、詳しくは医院までお問い合わせください。